プロジェクトストーリー「新研修センター建設」新研修センターでの人材育成を通して、FM業界のリーディングカンパニーへ。

INTRODUCTION

体験型・新研修センターを通じて、
本当にスキルアップしてもらいたいこと。

東京都心をはじめ、全国各地で再開発が進むなか、FM業界では建設設備に関わる専門技術力のさらなる強化が求められている。そこでJR東日本ビルテックは、ベテラン社員による技能伝承はもちろん、時代のニーズに即した先進技術の提供など、これまで以上に幅広い知識・スキルを持った真の『プロフェッショナル』を育成するため、新研修センター建設に着手した。ただ知識を詰め込むだけではない、「見て、触って、体感」できる、かつてない研修センター実現を進めている。

世代交代が進み、さらなる人材育成が急務に。

ビルテックは、JR東日本グループの建物・設備の維持管理業務を核とする専門会社として1990年に誕生。以来、駅をはじめとする鉄道建物や施設の維持管理を通し、建物価値向上を図り続けているリーディングカンパニーだ。社会インフラの一翼を担いながら、ビルテックの旧研修センターである「FM道場」を通じてこれまでも多数の技術者育成などに取り組んできた。新研修センター設立にあたって、本店 建設部 新研修センターグループ 菊池は、「少子高齢化という社会的背景に加えて、熟練した高年齢者の大幅な退職が間近に迫ってきています。そのため、技術サービス企業であるビルテックの最も重要な財産である多様な人材を継続的に確保すると同時に、さらなる技術・技能を向上させ、その能力を最大限に発揮させることが急務となってきたのです」と説明する。新研修センターは、より本格的な仮想ホームをはじめ、各種研修設備が整う地上4階建ての施設。本施設を通して、さらなる人材育成に積極的に取り組んでいくという。

完成までの新研修センターづくりも、
社員たちの大きな研修のひとつ。

いよいよ2019年10月に始動予定の新研修センターだが、完成までの道のりはかなり険しいものだったと建設部 新研修センター建設グループ担当部長 グループリーダー小原は当時を振り返る。「これまでさまざまな建設を手がけてきましたが、この新研修センターのような大規模新築プロジェクトは当社としても初の試み。社員たちもはじめての経験なので、最初はどうなることかと心配していましたが、『新研修センターをつくる現場そのものが研修だ』というチャレンジ精神あふれる声もあり、なんとかみんなでやってみようと一生懸命模索しました」。ビルテックは、新研修センターを建設していく過程で、現場で働く有志を公募で募集。そのなかで、菊池もまた手を挙げたひとりだ。「これまでは木造の建設をメインに行っていたのですが、新研修センターは鉄骨造。そのつくりをイチから見られることなど滅多にないのでこの機会に応募しました」と語ってくれた。安全推進部 担当部長 志村は「現場で『つくる』ことはもちろんですが、現場を『見る』ということも立派な研修。完成までにはさまざまな社員たちが現場を訪れ、基礎や鉄骨のつくりかたを見るなどしてたくさん学んでもらいました」と続けた。

「新仮想ホーム」「VR」など、
新しい試みを次々と導入。

旧研修センターである「FM道場」にも社員たちが実際に体感できるような仮想ホームが設置されていたが、新研修センターではその約3倍の長さである20mの仮想ホームを設置する。「ホームを長くすることで、より実際のホームに近い環境を構築することが可能となります。たとえば、信号が切り替わるタイミングなど、実際に見て体得するためには20mの長さは必要。ほかにも、架線に実際と同じ高電圧をかけると、同時にLEDが点灯するなど、電気の『見える化』にも力を入れました」と志村は改善点を語ってくれた。また、VR導入についても「ただVRゴーグルを装着して見るだけでは記憶に残せません。墜落、感電などの危険事象を五感(視覚+聴覚+触覚)を刺激し、安全に体感できるようにと考えています。『危険を“脳に”植え付ける』ことで、危険感受性を高め“労働災害ゼロ”を狙います」と続けた。「また、その危険体感の前後の教育が重要です。職場に存在する危険のケーススタディをCG/VRで具体的に示し、『見て』『感じて』、事故を未然に防ぐためにどのように対処・行動すればよいか考えさせる『気づき教育』にも力点をおきたい」と語った。

新研修センターで、モチベーションまで
スキルアップしてもらいたい。

最後に、新研修センターに期待していることを聞いてみた。小原は「このプロジェクトに携わって完成を見た暁には、社員たちのよりいっそうのスキルアップにつながる施設になってもらいたい」と期待を寄せるとともに「いくら立派につくっても建物は『箱』なので、やはり大切なのは中身。導入される研修設備がしっかり機能してくれたらと思います」と続けた。志村は「体験型の施設を、できるだけ見て、触ってもらい、その体験を現場で最善の道につなげてほしい」と想いを語りながら「最終的には社員のやる気、モチベーションだと思います。現場に行って、自分から動きたい、働きたい、そう思ってもらえるようなモチベーションまでスキルアップできるような研修センターになれたらいいなと考えています」と締めくくった。

小原 豊
建設部
建設第三グループ
菊池 仁
水戸支店
事業一課
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