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「TAKANAWA GATEWAY CITY」のトータルマネジメントが始動

 2025年3月27日、高輪ゲートウェイシティ駅周辺の新しい街「TAKANAWA GATEWAY CITY」が「まちびらき」を行い、当社もこの街の施設のトータルマネジメントをスタートしました。
 「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、JR山手線「高輪ゲートウェイ駅」周辺の約10ヘクタール、南北1.6km、延床面積約84万5000㎡と、国内最大級の「駅と街が一体となったまちづくり」であり、JR東日本グループが一丸となって取り組む壮大なプロジェクトです。
 当社は、設計の早い段階よりファシリティーマネジメント(以下「FM」)における課題にアプローチし、最適な環境で開業を迎えるため準備をしてまいりました。このプロジェクトにかける当社の取り組みを紹介します。

「TAKANAWA GATEWAY CITY」の概要

提供:東日本旅客鉄道株式会社
各建物の主な用途
当社の組織
 

最適なFMをいち早く提供するため開発の早い段階から参画

 当社がこのプロジェクトに参画したのは2016年。
 東日本旅客鉄道株式会社(以下、「JR東日本」)の当時品川・大規模開発部へ出向した当社社員が中心となり、複数の施設をエリア分けし、巡回やシステム連結により効率的に管理するする「エリア管理」についてJR東日本と当社の新規施策プロジェクト(当時)とで勉強会をスタートしました。
 当時は、各ビルにそれぞれ事務所を構える「常駐管理」が多く、要員効率等の面で多くの課題がありその解決を目指しました。
 2018年度にTAKANAWA GATEWAY CITYのFMコンサルタント業務を受託。正式にプロジェクトとしてスタートしました。
コンサルタント業務では、図面のシャッターの点検口位置など今後のFMにかかわる詳細な仕様を確認し、FM側から見た提案を400枚ほどのレポートで報告。
 早い段階で設計に反映していただく事で開業から最適なFMが行えるハード面での環境を整えることができました。

 2022年に品川開発部を開設し、TAKANAWA GATEWAY CITYのFMを円滑に進めるためにはどのような運用が適切かなど、ソフト面のFMを議論。
 この2年前に連続して新規受託していた横浜・竹芝・川崎での大型複合ビル管理契約提案や受託後の振り返りも活かして「エリア管理」を提案し、2023年にTAKANAWA GATEWAY CITYの「管理業務の委託先」の内定を獲得することができました。

遡る事、2020年3月。
 先行して開業した高輪ゲートウェイ駅の施設維持管理を当社ではスタートさせていました。
 今回の「まちびらき」で駅とTAKANAWA GATEWAY CITYを結ぶ「南改札」が供用開始、駅前広場「Gateway Park」も開業し、駅と街全体の施設管理を当社が行うこととなりました。
 高輪ゲートウェイ駅の中にはTAKANAWA GATEWAY CITYの設備もあり、その管理には鉄道特有のルールを遵守することが必要となります。
 当社は長く鉄道施設の維持管理を担っており、社員一人ひとりに「安全が当社のトッププライオリティ」であることが深く浸透し、鉄道施設の特殊性・ルールや知識と経験を十分に備えています。鉄道施設管理の専門部署とも連携しながら管理をします。

「新しい街」のための「新しいFM」を早くから準備

 これほどに大きな街のエリア管理は当社にとって初めてのことです。
 施設のスケールや業務効率などを勘案し、議論を重ね、「責任者制度」という新しい仕組みを採用しました。設備管理(当社が責任者)・警備・清掃・植栽管理の各責任者をパートナー会社に担っていただき、何十社にもなるパートナー会社を取りまとめています。  責任者の役割分担など詳細もパートナー会社と共に知恵を出し合い、すべてのことをゼロから積み上げてきました。

 また、街では数十台の働くロボットも施設管理者の一員として清掃や警備で活躍します。ロボットが活躍できる時間帯や動線を確保すること、仕事の品質管理なども新しい仕組みの一つです。ロボットと人が共に活躍できる仕組み作りも当社の仕事です。

 街が更に拡大するなかで、様々な目的の施設が誕生します。
 オフィス・商業施設・ホテル・コンベンション・カンファレンス・フィットネス・住宅・学校・複合文化施設「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」など。特に住宅・学校の施設管理は当社にとって初めての経験であり、約840戸の住宅をどう維持管理するのか、学校の施設管理とはどうあるべきかパートナー会社と勉強を進めてきました。また、竹芝で劇団四季劇場、東京でステーションギャラリーの施設管理の経験もありますが、「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」は文化の領域や分野を超えて新しい文化価値を創造する場です。
 新しいFMの手法も求められます。
 エネルギー供給事業においても新宿地域で冷暖房エネルギー供給事業の経験はあるものの新しい技術・取り組みなど多肢にわたって学び、TAKANAWA GATEWAY CITYでの運用に落とし込む必要がありました。プロジェクトの早い段階から参画することで、十分な時間をかけ、今までの知見と新しい学びをつなぎあわせることにより、「TAKANAWA GATEWAY CITY」に最適なFMをつくり上げてきました。

いよいよ「まちびらき」を迎えて

 2025年3月27日の「まちびらき」に向けて、当社では2月に品川エリア事業部に高輪エネルギー事業所を開設し、まずはエネルギー供給業務をスタートさせました。
 3月には高輪エリア事業センター、高輪エリア設備事業所を開設し、3つの事業所でこの街の「安全・安心・快適」をトータルマネジメントしています。

「Global Gateway」「100年先の心豊かなくらしのための実験場」であるこの街の建物施設をマネジメントするとはどうあるべきか。
 私たちはこの10年考え、準備をしてきました。まさに今からが本番です。
 様々な建物施設の動きを体感し、これからどのようにこの街の建物設備の価値を最大限に引き出すかが腕の見せどころです。
 高輪エリア事業センターに結集したのは、信頼してお互いの力を伸ばし合えるメンバー。だからこそ新しいことにも果敢に挑戦することができます。この壮大なプロジェクトに参加する誇りと充実感でメンバーにはパワーがみなぎっています。
 人もファシリティも価値を最大限に。
 品川一帯はこれからも開発が続く成長中の街。私たちも共に成長を続けます。

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