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奥羽本線 津軽新城駅・川部駅 改築工事(工期2022夏~2023夏)

奥羽本線 津軽新城駅
奥羽本線 川部駅

工事の背景
奥羽本線・弘前―青森間10駅への「Suica」対応改札新設置(2023年春)に向け、津軽新城駅・川部駅においては老朽化対策及びメンテナンスしやすい駅を目指してのコンパクト化工事を実施した。JR秋田支社が描いた新駅舎のイメージ図を建物として実現させるため秋田支店弘前事業所の三浦が幾度もの打合せを重ね、「実施設計」と「施工管理」を行い完成させた。

奥羽本線津 軽新城駅・川部駅のご紹介
奥羽本線は福島県の福島駅から、山形県・秋田県を経由して青森県青森市の青森駅に至る足の長い鉄道路線である。今回工事の津軽新城駅・川部駅のある秋田~青森間は日本海側の縦方向を繋ぐ北奥羽の軸となる路線である。
津軽新城駅は秋田支店が管轄する最北端かつ最東端の駅であり、川部駅は「乗ってみたい地方ローカル線」で人気のある五能線の終点駅である。

津軽新城駅 改築工事 ~新城川をイメージ~

工期  :
2022年7月~2023年3月
施設概要:
(1)構造 木造 平屋建 44.7m2
(2)施設 待合室、機械室、倉庫
工事計画:
仮駅舎を設置後、旧駅舎の解体。改築。

デザインコンセプトは新城川。地域のお客さまが駅舎を身近に感じられるように川の「さざなみ」や「きらめき」を表現できる壁面壁材を探しだすのに大苦戦。建設当時は新型コロナ感染拡大やロシアによるウクライナ進行などの影響を受け、材料の供給がままならない状況であった。ようやく調達できた材料も枚数に余裕はなく1センチも無駄にできず工夫に工夫を重ねて、イメージ通りの壁面を作り上げた。

当初計画では、視覚障がい者誘導用ブロックが入り口からホームまで最短距離の直線で伸びていたが、お客さまが雨に濡れないようにとの配慮から、90度曲げ、ホーム屋根のある方向へ誘導するよう変更するなど工事に関わる関係者全員が、「お客さまに愛される駅」の実現にギリギリまで取り組んだ。

長椅子の下の壁に埋め込まれた柱のレリーフ

また、「旧駅舎の思い出として、柱の飾りをどこかで残して欲しい」というJR東日本の社員の思いを三浦は長椅子の下でひそやかに叶えている。

最寄りといっても最北端の駅。現場から弘前事業所までの移動は車で片道一時間かかり、朝早く夜遅い日々が続いた。開発120年以上の駅のため、水道管の道路本線からの分岐位置を示した資料がみつからず、青森市水道部係員立会いのもと、道路を2度も掘削するなど様々なハプニングにも遭遇したが、無事にしゅん功を迎えることができた。

川部駅 改築工事 ~地域に愛された旧駅舎の面影を残しつつ~

工期  :
2023年2月~2023年8月
施設概要:
(1)構造 木造 平屋建 30.2m2
(2)施設 待合室、機械室、倉庫
工事計画:
旧駅舎を一部解体し改築。現在旧駅舎は使用停止、今後解体予定。

旧駅舎の面影を残すというデザインコンセプトから、旧駅舎と同じ緑の屋根材にこだわった。津軽新城駅と同様に材料調達は困難を極め、全国を探しまわった。

雪国の冬の工事は「雪かき」から。工事初日から大型ダンプで10台分の除雪が必要な大雪に見舞われた。道路を除雪した雪が仮囲いに寄せられ、入り口にもたどり着けない。総動員で雪をかいた。

工事中の雪対策としては屋根の代わりにブルーシートを貼り巡らせた。そのことが幸いし、基礎コンクリートの温度管理を適正に行うことができ、天候に左右されることなく作業することができた。計画通り4月には建て方を開始し、約2か月でしゅん功と順調に工事を進めることができた。

二つの工事を終えて ~担当者の感想~

社内外の多くの関係者のご協力により無事故無災害で完成を迎える事ができました。この二つの駅はこれからずっと地元のみなさまや駅のご利用者に愛されていく駅。今後は当社の維持管理で末永く快適な空間を提供していきたいです。

「Suica」対応改札 川部駅
「Suica」対応改札 津軽新城駅
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